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2012年6月3日日曜日

石巻市の開成団地内の「あがらいん」が便利になりました。

石巻市の最大の仮設住宅団地の「開成団地」
その中に、高齢者のよりどころとなっている「ケア付き仮設住宅 あがらいん」があります。
この施設は、NPO法人のCLC(コミュニティライフサポートセンター)が運営しています。

この施設は今年のはじめにおじゃました時は、建物だけが立っていてずいぶんと殺風景な感じでした。
出入口の屋根も無く、雨が降るとドアを開けるとすぐに濡れてしまう状態でした。
今回、伺ってみると、その施設に 車椅子で上がれるスロープと屋根、2つの建物を繋ぐための廊下ができました。
これは、廃材利用です。
市内にまだ避難所があった頃に、CLCは医療や介護関係のボランティアを各避難所へ派遣する支援をしていました。
看護師や介護士、保健師が一日の疲れを癒し、眠るための派遣拠点(郊外の公民館)に、現地の大工さんが支援に駆けつけてくれた彼らの一日の疲れを癒すためにお風呂を作ってくれました
ずいぶんと立派なお風呂で木の香りがする素敵なお風呂でした。
避難所が無くなり、そのお風呂を解体した材料を使ってこのスロープ、廊下、屋根が作られました。
足りない材料は石巻市からの支援もあり、使い勝手の良さそうな立派な設備になりました

現在、施設には5名ほどの高齢者の方々入居しています。

CLCからのスタッフの他に、各地のNPO団体から入れ替わりにボランティアの若者が来てくれています。
施設がオープンしてから半年ほど経過しているので、施設も居心地がよく馴染んでいます。
2つの建物がありますが、そのうちの一つに5月31日に開業した、石巻市立病院の開成団地仮設診療所のスタッフの方が利用する事にもなりました。
復興が軌道にのるまで、続ける事ができればと思いました。
石巻へお邪魔する時にはお世話になっています。

5月25日の仙台で開催されたNPO担い手会議に参加してきました。

25日の夕方、仙台の東北厚生局の会議室に、4回目の医療・福祉関係の復興の担い手会議が開催されて出席をしました。
当日は、宮城県を中心にNPOや福祉団体、県庁や市役所の関係者22団体30名の方が参加しました。
各団体の近況報告に次いで、PCAT(日本プライマリケア学会)の林健太郎医師からの震災の初動から今までの活動報告と今後の課題に対するプレゼンテーションが行われました。
 PCATの林医師のプレゼンテーションは、初動から継続して被災地に広く医療支援を行なっています。
延べ519人の医師、看護師、救命士、保健師、栄養士など様々な専門職の方を日本中の医療機関に支援依頼をして協力を参加されています。
人のコーディネート力と共に、移動に必要な車両、道具、医療材料だけではなくて、宿泊所の手配、現場の情報収集、医療支援をする場所の確保など様々な超人的な活動をしてきました。
何よりそれを実現する上での資金の確保をどう行なうかななど、単なるヒューマニズムの感情論でできるものではなく、林医師の経験、知識、判断力、人脈、行動力そして多くの極力者の存在があって出来たことでしょうが、言葉で言うほど簡単ではありません。
それを可能にしたか、プレゼンテーションで語る言葉の向こうに様々なドラマが見えるような気がしました。
林医師とスタッフ、PCATの活動によりどれだけ多くの命が救われ、それが未だに現在進行形である事は、関東では幾分風化しつつある東日本大震災の現実をリアルに見せつけてくれた気がします。
TVやラジオのメディアから、震災の報道が少しづつ少なくなってきています。
NPOや震災支援に関わる私も知らない事が林医師から語られます。

多くの人々にこの事実を知ってもらう、共有し共感してもらう事が大切であり、まだまだ続く支援活動を継続する上での心のエンジンを止めてはならないと感じました。
PCATの初動の予算の多くがジャパン・ソサエティの義援金や寄付で支えられてました。
支援を継続するための資金確保が目前の課題となっていますが、政府や行政の補助金、助成金だけでは現場のニーズが満たせず、海外からの支援団体や民間の寄付などどうファンドレイジングするかがPCATに限らずどこのNPOでも共通の課題です。そのファンドレイジングを支援をするためにも 復興に担い手の彼らの活動をもっと広く知ってもらう必要性を感じました。

横浜で石巻の写真展が開催されていました。

横浜は「開港祭2012」というイベントが開催されていて、6月1日、2日は臨港パークで様々なイベントが開催されています。
管理人は、個人的に船が大好きで優美な帆船「日本丸」に帆を張るなどのイベントがあるとの事で、桜木町へ出向きました。
 目的の日本丸には、ボランティアや学生がマストに取り付き作業をしていました。
やはり、人が働いている船は、躍動感があり良いですね。
 その日本丸の傍らに、横浜みなと博物館があり、主に港や船、海にまつわる展示がされていますが、特別展として石巻市の写真展が開催されていました。
「東日本大震災 第1回 石巻かほく復興写真展 〜復興の歩みを見つめて〜」
 主催は「帆船日本丸記念財団・JTB法人東京共同事業体」、協力は三陸河北新報社と言う地元の新聞社です。
宮城県石巻地方で写真を募集し、集まった430点の中から受賞写真、入賞写真など58点を展示しています。
 関東地方に住んでいると、過去のものとなりがちな東日本大震災ですが、現在もそして未来へもリアルタイムに人々が復興の活動をしています。
震災から今までの石巻地方の様子を知るには良い写真展だと思います。
華やかな開港祭の初日から始まった地味な写真展ですが、心に残る写真が見つかると思います。
 私は初日に伺いましたが、三陸河北新報社の大須様からお話を伺う事もでき、この写真展は今年も募集を行うようです。
会場では三陸河北新報社が発行している震災写真集も閲覧できます。
どっこい頑張っている地方新聞社・・・そんな気持ちを感じます。
 写真展は、6月17日まで開催されています。
 桜木町へ行かれた際にはぜひお寄り下さい。
ちなみに、常設展は船好きにはたまりません。

補足
私も先日、5月の最終週に仙台、気仙沼、石巻と次の支援に関する情報収集と関係者との調整で回って来ました。
そのお話は、後ほどご報告をします。