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2011年11月14日月曜日

岩手県:気仙介護センター ほほえみ 様より、支援のご報告をいただきました。

ジャパンソサエティ 様
NPO法人ケアセンターやわらぎ 様

有限会社気仙介護センター
事業所名 気仙介護センターほほえみ
代表取締役 古 澤 元 悦

【支援物資の使用状況報告について】
当岩手の気仙地方は紅葉の時期を迎えております。
今年は震災のためかいつもの鮮やかさが見られないのが残念ですが、季節は間違いなく冬近しを感じさせられる今日この頃です。
震災からすでに8ヶ月を数えようとしておりますが、町並みが消え、瓦礫も整理されて何もない状態となりましたが、少しずつ復旧から復興へ向けた取り組みが見られるようになり、人間の心強さを感じながら、日々変化する町並みを眺め、自らの使命である要介護者の援助や支援に明け暮れております。

この度は本当に心温まる物資の支援を頂き本当に有難うございました。
言葉では言い表せない程感激し感謝で一杯です。この支援の気持ちにどう応えて行けば良いのかと思い悩んでおりますが、送られた支援物資を普段の業務の中で使用して行くことが、何よりの御礼であると思い、早速業務に使わせて頂いております。
気仙介護センターほほえみは、地元では「ほほえみさん」と呼ばれ親しまれております。

当事業所は「地域貢献」を理念に、より福祉的な活動に取り組んでいるため、企業らしさがなく、どんな相談や依頼にもすぐ応えてくれるとケアマネジャーさん達からも信頼を得ており、小さな小さな事業所がこうして震災にも負けず再出発出来た所以でもあります。
この震災後は何もかも失い、本当にゼロからのスタートでしたが、全国からの様々な支援があって、どうにか事業を再開することになった事に改めて感謝したいと思います。
さて、本題の使用状況について報告したいと思います。
自転車は4台で、その内2台は電動自転車です。
坂道の多い大船渡の市街地を走るのには持って来いで、本当に疲れ知らずで結構遠くまで行けると好評です。

 
これまで、自転車を使用する機会がありませんでしたが、震災後は車に頼っていた生活が一変して、徒歩や自転車が多くなりました。
かなりの数の車が津波で流され使用出来なくなったことも影響しているようです。
身近な乗り物の良さを改めて感じたものです。
車にだけ頼った生活のためいざ自転車に乗ろうとしても果たして大丈夫なんだろうかと心配もありましたが、事務兼ヘルパーの鎌田さんは30年振りの運転で、最初は不安定だった走行も徐々に30年間のブランクを感じさせない安定した運転が出来るようになり、ヘルパー業務や銀行等の用足しに使用しています。


秋の風を身体一杯に受けながらの走行は車では味わえない心地よさで、その他のヘルパーもセンターから比較的近い場所へのケアには自転車で行くようになりました。
ここでひとつ事例を紹介したいと思います。
Iさんは大震災時自宅におりましたが、地震でびっくりして外へ。
丁度ヘルパーが訪問中だったので二人で声を掛け合っていましたが、ヘルパーは次の利用者宅の訪問が控えていたため、近所の方々とどうにか避難しました。
その後予想もしない津波が押し寄せ海岸から2km離れていたIさん宅も津波に呑まれてしまいました。
盛岡に住んでいたIさんの娘さんが何日か後に避難所に迎えに来てくれて一時盛岡で生活していましたが、盛岡の生活に馴染めず自宅近くに仮設住宅が建つことを聞いて入居を申込み、8月に故郷大船渡へ戻って来ました。
一人暮らしが再び始まりましたが、仮設では隣近所もあまり知らない方が多く、孤独な生活を送っており、再びケアマネジャーさんからの依頼でヘルパーを派遣することになりました。
週1回ヘルパーと一緒に一週間の食料品や日用品を購入するサービスが始まり、寂しい気持ちで生活していたIさんもこの日を楽しみに待つようになりました。
担当の菅野ヘルパーはセンターから1.5kmの仮設住宅まで自転車で向かいます。
介護タクシーが二人を迎えに来て買物に出掛けています。
Iさんにとってこの買物は自らの生活を維持する上でも必要不可欠になっています。



次に雨具はとてもセンスの良いものを頂きました。
東北はこれから冬本番を迎え、雨や雪の季節を迎えます。
雨具としてのみならず雪の日や寒さを防ぐウインドブレーカーとしての役割も果たしてくれるものと期待しながら、大いに活用したいと思っています。

又マスクもこれからの時期には是非必要なものです。
利用者の中にはケアに入る時には感染症や風邪をうつされるのを心配してマスク着用をヘルパーに義務付ける所もありますし、ヘルパーとしても「感染させない、感染しない」を目的にサービスを実施しており、寒さの厳しい冬はさらにマスクの需要が多くなります。
すでにマスクを使用し業務を実施しているヘルパーもおりますので、是非役立たせて頂きます。

マスクと共に毎日の介護現場やセンターへ戻った時の手指の消毒は欠かすことは出来ません。
事務所に備えると同時に各ヘルパーには携帯用の容器に今回頂いた消毒液を詰替えて持たせております。
その都度介護現場では使用しており使用頻度の多いケア用品として大切に使用させて頂いております。
最後にセーフプラスチックグローブは、ヘルパーが身体介護等オムツ交換や排泄介助を行う時の必需品として使用されており、又家事援助の際の掃除等にも使用されています。
最近は感染症の利用者や床ずれ等の利用者も多く、お互いの衛生面に配慮するためにも
グローブの使用が必要不可欠になっております。
こうしてみると本当に今回の支援物資は私たちの現場にとっては必要な物ばかりで、至れり尽くせりのご好意に感謝するばかりです。
震災で何もかも失った当事業所は、皆様方の温かいご好意によって少しずつ復興に向かって歩み始めております。
これからの目標はもう一度津波で流された場所に事務所を設置し震災前のように職員皆で又始められたらという願いで一杯です。その時を迎えられるよう職員一丸となって頑張ります。
ジャパンソサエティ様、NPO法人ケアセンターやわらぎ様そして支援のための手続きにお世話いただいた白河様に改めて御礼申し上げたいと思います。

皆様方のご多幸を心よりお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。

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