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2011年9月17日土曜日

ジャパンソサエティ協力支援:福島県 NPO さぽーとセンター ぴあ


 福島県の南相馬市にある 特定非営利活動法人「さぽーとセンターぴあ」にお伺いをしました。
お話をしていただいたのは、施設長の郡信子さんです。

 こちらを物資支援で、ご推薦いただいたのは、全国コミュニティライフサポートセンター(以下CLC)からです。
 震災後にこの施設へCLCの方が定期的に物資を届けて、繋がりを持っていたようです。
南相馬市は一部放射線の避難地域になっており、私達がお話を伺った「ぴーなっつ」そして自立研修所の「えんどう豆」は緊急時避難準備地域に指定されています。
行っている事業は、
 ・ディサポートの「ぴーなっつ」
 ・自立研修所の「えんどう豆」
 ・自立研修所の「ビーインズ」
 ・日中一時支援事業「豆っ子」で、高校生までの障がいのある就学児童を預かったり在宅介護をしています。

 事業の主体は、障がい者の生活介護、生活訓練、就労に向けた自立支援事業を行っているようです。
 活動は、平成元年に原町聖愛保育園の子供の保護者と職員の障がいについての勉強会から始まった様です。 
平成元年8月に「障がい児 ひまわりの会」を発足。
 平成7年に小規模作業所として「自立研修所 えんどう豆」を開所し、平成11年には「自立研修所ビーンズ」開所。
平成18年にNPOとして「サポートセンター ぴあ」の設立になりました。

 震災当時は、施設長の郡さんは自宅にいて、幸い地震の被害にも津波にも無事でした。
 その後の原発事故も双葉町との距離もある事から現在の様になるとは想像してなかったようです。
 被害の実体が明らかになると、鹿島町にあった「ビーンズ」が建物の老朽化から被害に合い今は別な場所で行うことになりました。
利用者の方には亡くなった方もいますし、原発事故の影響で多くの方がバスにのり非難をしていきました。
 郡さんは電話や訪問で安否確認をしましたが、避難できずに取り残された方もおり、郡さんも現地に残りました。
利用者の方々の安否確認や非難先の確認は元より、現在どれだけの方が南相馬に残っているか分からず、また非難を求めに来る人もいて、「ぴーなっつ」を開けて人々を受け入れました。
 行政の机上での指導ではゲームのコマを動かすように指示をしますが、やはり現地では生身の人間が現実に直面して戦っており、その現実に対応する事がより求められるように思います。

 当初、「ぴーなっつ」も閉鎖していたようですが、1ヶ月後には再開をしました。
郡さんやスタッフの方は市内の障がいをもっていらっしゃる方々がどうなっているかを一次調査二次調査と再調査を重ねて明らかにして必要な手を差し伸べていました。
 特に唯一の精神科の病院が震災後に移転をされた時には、デリケートな精神障がいの薬の確保など利用者の方を含めてご苦労をされた様です。

 震災後、何事も無かったように思えますが、放射線の風評被害もあり、物資が入ってこなくなり、ものが無くなっていき、それは「ぴーなっつ」だけではなく取り残された人たちに共通で、同じ苦境に置かれた様です。4月〜5月にかけては本当にひどかったようです。
だから、CLCの定期的に物資支援は本当に助かったとおっしゃっていました。
「ぴーなっつ」自体も周辺住民への物資支援の拠点の位置づけになっていました。
今は落ち着いてきましたが、震災後に家も仕事も失った人が大勢おり自立支援はこれからが本番です。

 震災後は非難などで一時的に減った利用者の方も、避難地域の施設が閉鎖になった事などの影響で、新しい利用者の方も加わり、現在は60人程の利用者の方々がいらっしゃるようです。
福島の放射線被曝が懸念される地域は、今後「除染」というプロセスがあります。
公共の建物は市で行いますが、「ぴーなつ」の様な施設や私立の幼稚園、保育所、学校、個人の所有する建物はそれぞれが行うようです。

 費用や依頼できる業者の手配など含めてまだまだ明らかになっていない点が多い様です。
避難解除を迎えるにつれ、また次の希望に向けた展開があると思いますが、ぜひくじけずに頑張っていただきたいと心より思いました。

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